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コの字型コートハウス

N邸は片側3車線の幹線道路に面した街中の店舗併用住宅の建替えによる平屋のコートハウスです。
幹線道路からの騒音や、近隣に増えつつある高層マンションからの視線を遮るため、外周部を閉じて中庭に開いたコートハウス形式を採用しました。
建物は中庭全周を囲むのではなく、南側からの採光を確保するため中庭の南側一辺を解放した「コの字型」の配置としました。またアプローチは交通量の少ない東側道路から確保し、屋根付きのカーポートや玄関ポーチの格子越しに、東側道路から中庭の気配が感じられる構成としました。

思い出を継承する木質系インテリア

従前の住宅には家族の思い出が詰まった品々がたくさんあり、ご家族のご意向により、新しい住まいにもそれらの一部を継承することとしました。家具・調度類だけでなく、座敷の欄間や店舗で使用していた照明器具などを解体時に保管し新しい家に組み込みました。
また従前の住まいの伝統的な和風住宅の落ち着いた雰囲気を引き継ぐため、新しい住まいでも柱梁などを表した真壁づくりを一部に採用し、木質系の温かみのある室内空間としました。

ユニバーサルデザインに配慮した平屋

終の棲家としてご家族が住み続けやすいように平屋を採用し、室内は車いすでも移動が容易なように段差解消や余裕のある通路幅の確保などバリアフリーな空間構成としました。居間食堂・キッチンのほか主要居室にも温水床暖房を設置し、温熱的なバリアフリーにも配慮しています。
一方、屋外に対しては、近年の豪雨による浸水被害などを防ぐため、周囲の道路面から床面を約80cm高くするなどで対応しています。
また、主な居室は勾配天井として、電動リモコンで開閉するハイサイド窓からの通風・採光を確保しました。

高い基本性能：長期優良住宅（耐震等級３）

耐震性、断熱性、維持管理性などの住宅の基本性能を客観性と定量性を伴って確保するために長期優良住宅の認定を取得しました。特に耐震性は耐震等級３を確保し、大きな地震に対する安全性の確保に加え、大きな修復費用のかかる損傷をできるだけ少なくする配慮などの余裕をもった対策を施しました。