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「Glass and Grass」は軽井沢西方の浅間山麓の南斜面・標高約900mに建つペット同伴可能、1日1組様限定の貸し切りコテージです。アトリエグローカルは、このコテージとオーナー住宅の設計のお手伝いをさせていただきました。なぜ「お手伝い」かというと、3年前にオーナー夫妻(建て主様)から届いたスケッチ(写真42)には600坪の山林を切り開いてコテージ＋ドッグランガーデン＋オーナーハウス＋ワイン用のブドウ畑＋家庭菜園などを創る一大構想がすでに出来上がっていて、しかも、自分たちで作れるところは自力建設(DIY)するというプログラムまでも出来ていたので、私たち設計事務所や地元施工会社(新津組)は、その壮大なプロジェクトのごく一部を担わせて頂いたにすぎないからです。しかし、その魅力的なスケッチと、八ヶ岳から北アルプスを一望できるのびやかな斜面や湧き水の流れる沢筋や浅間石の巨石が所々に顔を出す変化に富んだ敷地を拝見してしまっては、「私もなんとしもこのプロジェクトの一端に加わらせていただきたい！」っと強く強く願わずにはいられないのでした。
貸し切りコテージの宿泊客は、ペットをドッグランガーデンで遊ばせながら雄大な景色を楽しんだり、備え付けのキッチンや屋外テラスや2階テラスなどで調理やBBQをしたり、ペレットストーブに火を入れてみたりと、様々な楽しみ方でコテージを満喫できます。また、隣接するワイン工房や有名なチーズケーキの店舗・レストランを訪れたり、浅間山麓のスキー場や軽井沢・海野宿・小布施などにちょっと足を延ばすこともできます。「Glass and Grass」は、ワイングラスとドッグランガーデンの芝生からオーナー夫妻が考案したコテージの名称です。
コテージは吹き抜けのある大きな三角屋根の平屋など、いくつかの大きく異なるプランパターンを試設計した結果、1階と2階にそれぞれ独立した寝室があり複数の家族がグループとして利用可能で、ドッグランガーデンと連続した地上テラスと大パノラマを眺望できる2階テラスを併せ持つ最終形にたどり着くプロセスで設計が進められました。内装仕上げの大部分、テラス・キッチン・ベッドなどの家具類、一部の建具までもがオーナーの自作によるものです。さらにドッグランガーデンを取り囲む長大な木柵もオーナー作です。
オーナーハウスは大きな吹き抜けを中心に、1階にLDK＋サニタリー＋サンルーム＋屋根付きポーチ、2階にベッドルーム＋大型ウォークインクローゼット＋屋根付きバルコニーという構成です。吹き抜けに設けられたクッキングストーブは秋～冬は毎日の料理に活用されているそうです。サンルームの屋根はガラス(遮熱LowEペアガラス)になっていて冬季はダイニングに明るい光を届けます。建物南側には浅間石を楔状に積み重ねて作る地元で「巨石積み」と呼ばれる石積み擁壁を新たに設けました。
「Glass and Grass」はドッグランガーデンの芝の生育などの準備期間を経て2020年7月にオープンし、着実に宿泊客にも恵まれているとのことです。これからもブドウ畑の収穫、屋外物置の建設や沢筋エリアの整備など、オーナー夫妻の壮大なプロジェクトはまだまだ続きます。